今回も、院長の美容鍼のツボ解説です。
今回のツボは
聴宮穴
です。
聴宮(ちょうきゅう)SI19

聴宮穴は、小腸経(SI)の一番最後のツボです。
小腸経は、この聴宮穴で終わる事から、どのツボも耳の疾患に使われる事が多いです。
聴宮穴の場所
耳の穴の前には、耳珠という小さな膨らみがありますが、その少し前にある陥凹に取ります。
顎の骨の後縁の窪みです。
とても分かりやすい場所にありますね。
聴宮穴の効能
名前の通り、耳鳴りや難聴などの耳疾患にとても良く使います。
他にも顎関節症や疲れ目などにも使いますが、耳関係のイメージが強いツボですね。
私は、個人的には、耳疾患に聴宮穴を使う事はあまりありません。
それなら、小腸経のもっと抹消のツボを使う方が得意です。
こういうツボの選択の仕方は、鍼灸師によって大分違うと思いますが、聴宮穴が耳疾患に効果があるという事に変わりはありません。
聴宮穴の美容鍼
耳疾患にはあまり使わない、と言いましたが、美容鍼としてはかなり使用頻度が高いツボです。
主な用途はお顔の輪郭のリフトアップです。
顎から頬のフェイスラインを引っ張り上げて聴宮穴で留めています。
特に、口角を上げたい時に使う事が多いですね。
ほうれい線対策としても有効です。
口角が下がっていると表情が暗く見えますし、人相占いでも、幸せが逃げる、なんて言われていますね。
そして、二重アゴなどの顎の問題では耳の上や後ろのツボを使い、口角や頬などの問題では、耳の前のツボを使うことが多いです。
引き上げたいラインによって使い分けています。
また、聴宮穴と言っても、引き上げた時のお顔の具合を見て、少し下の聴会穴、

少し上の耳門穴を使う事もあります。

これらのツボはそれぞれ所属経絡が違うので、ちゃんとした使い分けが必要です。
美容上の判断だけでなく、その他の症状やバランスなども考慮して、適宜ツボを選択する必要があると思います。
まとめ
どのツボに鍼をするのか決める時に、
そのツボがどの経絡に属しているか、
という事は重要な指標になります。
特に、少ないポイントで大きな効果を上げるためには、ツボの選択と組み合わせが重要です。
顔や頭には、いくつもの経絡が通っていて、分岐したり合流したりして複雑な流注を形成しています。
目や耳などの重要な器官の周りは特にそうです。
ここに鍼を打つとこれに効く!
と言えるほど単純な作用ではありません。
その方の状態を見て、その方の抱える問題と、その方のご希望を上手く擦り合わせる必要があるのです。